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士業の共同経営でトラブルを回避するには?失敗の要因と成功へ導く契約のポイント
士業の共同経営でトラブルを回避するには?失敗の要因と成功へ導く契約のポイント
士業の世界において、志を同じくする仲間と事務所を共同経営することは、業務の幅を広げ、経営基盤を安定させるための有効な手段です。一人では対応できない大規模な案件を受任できたり、お互いの専門領域を補完し合えたりといった大きなメリットがあります。しかし、その一方で「信頼していたパートナーと意見が食い違い、経営が立ち行かなくなった」「収益の分配を巡って骨肉の争いになった」というトラブルが絶えないのも事実です。
士業の共同経営におけるトラブルは、単なる感情のもつれにとどまらず、顧問先への影響や事務所の解散など、取り返しのつかない事態を招く恐れがあります。本記事では、士業が共同経営で陥りやすいトラブルの実態を深掘りし、それらを未然に防ぐための具体的な対策や、持続可能な協力体制を築くためのポイントを詳しく解説します。株式会社Honors(オーナーズ)が数多くの経営支援を通じて培った知見をもとに、経営者としての士業が知っておくべき本質的なリスク管理をお伝えします。
目次
- 士業における共同経営の現状とトラブルが起こる背景
- 共同経営で頻発する主なトラブル事例
- トラブルを未然に防ぐための具体的な対策
- 経営パートナー選びで重視すべき要素
- 株式会社Honorsによる経営サポートの活用
- まとめ
士業における共同経営の現状とトラブルが起こる背景
近年、弁護士や公認会計士、税理士といった士業の間で、法人の形態をとった共同経営が増加しています。組織化することで、個人事務所では難しい採用活動の強化や、ブランディングの向上が期待できるためです。しかし、専門職としての矜持が高い者同士が組むことで、独自の難しさも生じます。
トラブルが発生する最大の要因は「信頼関係があるから大丈夫」という過信にあります。創業時は意気投合していても、時間の経過とともに個々のライフステージや価値観は変化するものです。また、多くの士業はプレイヤーとしての能力が非常に高い反面、マネジメントや組織運営のトレーニングを十分に受けていないケースも珍しくありません。経営に関する明確な合意がないまま走り出してしまうことが、将来の火種を大きくしています。
共同経営で頻発する主なトラブル事例
共同経営において、どのような場面でトラブルが発生しやすいのかを知ることは、リスク回避の第一歩です。代表的な3つのケースを見ていきましょう。
収益配分と経費負担に関する不満
最も多く、かつ深刻なのが金銭にまつわるトラブルです。「売上への貢献度に応じた分配にすべきか、それとも一律にすべきか」という議論は、経営が軌道に乗るほど激化します。また、交際費や消耗品費といった経費の使い方に対する感覚のズレもストレスの要因となります。一方のパートナーが「将来への投資」と考える支出を、もう一方が「無駄遣い」と捉えるようになると、修復は困難です。
経営方針やビジョンの乖離
「事務所を大きく拡大していきたい」と考えるパートナーと、「質の高いサービスを少人数で提供し続けたい」と願うパートナー。このように目指すべき方向性が異なると、採用計画や設備投資の場面で必ず衝突が起きます。特にWebを活用した集客戦略や、新しいテクノロジーの導入に対する意欲の差は、事務所の成長スピードを左右するため、大きな不満につながりやすいポイントです。
役割分担と業務負荷のアンバランス
共同経営では、実務以外に「事務所管理」「採用」「経理」といった管理業務が発生します。これらの役割を曖昧にしたままでは、特定のパートナーに負担が集中し、不公平感が蔓延します。特に「自分ばかりが実務をこなして売上を立てているのに、パートナーは管理ばかりで楽をしている」といった疑念が生じると、組織の団結力は一気に崩壊へと向かいます。
トラブルを未然に防ぐための具体的な対策
トラブルを最小限に抑えるには、感情論ではなく、制度としての仕組み作りが必要です。以下の3点は、最低限実施すべき対策と言えます。
共同経営契約書の作成と公正証書化
士業でありながら、自らの足元である「契約」を疎かにしてしまうケースは意外にも多いものです。収益分配の計算式、経費の範囲、脱退時の資産分配などを明文化した「共同経営契約書」を必ず作成しましょう。単なる覚書ではなく、法的拘束力を持たせるために公正証書化しておくことが、将来の争いを未然に防ぐ強力な抑止力となります。
意思決定プロセスの明確化
全ての事項を協議で決めるのは理想ですが、それではスピード感が失われます。「100万円以上の投資は合議制にする」「採用の最終決定権は代表が持つ」といったように、決定権の所在と範囲をあらかじめ定めておきましょう。ルールが明確であれば、後から「勝手に決めた」という不満が出る余地をなくせます。
出口戦略(解消時のルール)の策定
共同経営を始める際に「辞める時のこと」を考えるのは縁起が悪いと感じるかもしれません。しかし、経営環境の変化や健康上の理由で、解消を選ばざるを得ない状況は必ず訪れます。残された顧問先の引き継ぎ方法、事務所名の使用権、退職金の算出基準などをあらかじめ決めておくことで、円満な解消が可能になります。
経営パートナー選びで重視すべき要素
共同経営の成否は、誰と組むかで8割が決まります。単に「仲が良い」「実力がある」というだけでなく、以下の要素を確認することが重要です。
まず、金銭感覚の近さです。お金の使い道や貯蓄に対する考え方が似ている相手とは、経営判断における摩擦が少なくなります。次に、互いの専門性が補完関係にあるかどうかです。同じ得意分野を持つ者同士より、一方が「攻めの集客」を得意とし、もう一方が「守りの実務管理」を得意とするといった組み合わせの方が、組織としての強みを発揮できます。
株式会社Honorsによる経営サポートの活用
共同経営におけるトラブルの多くは、当事者同士だけでは客観的な判断が下せないことに起因します。感情が入り混じる経営判断の場において、第三者の視点は極めて重要です。
株式会社Honors(オーナーズ)では、士業や医療法人の経営者に対し、伴走型のコンサルティングを提供しています。組織体制の構築から、パートナー間の役割の明確化、客観的なデータに基づいた収益構造の改善まで、多角的な支援を行っています。内部だけでは解決が難しい課題に対し、専門的な知見を持つ第三者が介在することで、共同経営のメリットを最大化し、リスクを最小限に抑えることが可能となります。健全な事務所運営を目指すなら、外部の専門家を賢く活用することも有力な選択肢の一つです。
まとめ
士業の共同経営は、一人では到達できない高みを目指せる素晴らしい選択肢です。しかし、その土台となるのは「曖昧さを排除したルール作り」であることを忘れてはなりません。トラブルは発生してから対処するのではなく、あらかじめ発生を前提とした準備をしておくことが、パートナーとの信頼関係を長続きさせる唯一の方法です。もし、現在の経営体制に不安を感じたり、将来のトラブルを未然に防ぎたいと考えたりしているのであれば、早めに対策を講じることが賢明です。プロフェッショナル同士が手を取り合い、持続可能な事務所経営を実現するために、今一度組織のあり方を見直してみてはいかがでしょうか。
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