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士業の社会保険加入義務と注意点|法人・個人事業主別の基準を解説

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士業の社会保険加入義務と注意点|法人・個人事業主別の基準を解説

弁護士や税理士、社会保険労務士といった士業事務所を運営する際、避けて通れないのが社会保険への加入問題です。法人化している場合はもちろん、個人事業主として運営している場合でも、従業員数や業種によって加入義務が発生するケースがあります。特に近年は法改正により、これまで適用除外とされていた士業事務所の社会保険適用範囲が拡大されました。本記事では、士業が知っておくべき社会保険加入の基準と、手続きを円滑に進めるためのポイントを解説します。

目次

士業事務所の社会保険加入における法的義務

社会保険(健康保険・厚生年金保険)への加入義務は、事務所の経営形態と従業員数によって決まります。士業という専門職であっても、労働者を雇用する以上、一般の企業と同様の基準が適用されます。

法人事務所は一律で強制適用

弁護士法人、税理士法人、社会保険労務士法人など、法人格を取得して運営している事務所は、従業員の人数にかかわらず「強制適用事業所」となります。社長(代表社員)一人のみの法人であっても、役員報酬が発生している場合は加入義務が生じるため注意が必要です。法人の場合は、社会保険料の半分を事務所側が負担することになり、経営コストの一部として計画的に管理しなければなりません。

個人事務所は従業員5名以上で義務化

個人事業主として運営している士業事務所の場合、かつては「非適用業種」として扱われていました。しかし、現在の法律では常時5人以上の従業員を使用する事務所は強制適用となります。ここでいう従業員には、正社員だけでなく、労働時間や日数が正社員の4分の3以上のパート・アルバイトも含まれます。5人未満の個人事務所であれば任意加入となりますが、従業員の要望や福利厚生の観点から加入を選択するケースも増えています。

2022年の法改正による適用範囲の拡大

士業の社会保険加入について大きな転換点となったのが、2022年(令和4年)10月の法改正です。この改正により、特定の専門サービス業に従事する個人事業所の扱いが厳格化されました。

対象となる10種の士業

改正前は、個人経営の士業事務所は従業員が5人以上であっても、一部の業種を除き強制適用の対象外でした。しかし改正後は、以下の10業種において従業員が5人以上の個人事業所は、一律で社会保険の強制適用対象となりました。

  • 弁護士
  • 税理士
  • 社会保険労務士
  • 公認会計士
  • 司法書士
  • 行政書士
  • 土地家屋調査士
  • 弁理士
  • 海事代理士
  • 公証人

これにより、これまで国民健康保険や国民年金に対応していた小規模事務所も、要件を満たせば社会保険への切り替えが必須となりました。

経過措置と現在の状況

この改正が施行された際、すでに5人以上の従業員を抱えていた個人事務所は速やかに手続きを行う必要がありました。現在は施行から時間が経過しており、新たに採用を行って従業員数が5人に達したタイミングで、自動的に強制適用事業所の要件を満たすことになります。手続きを怠ると、遡及して保険料を徴収されるリスクがあるため、人数のカウントには細心の注意を払うべきです。

社会保険に加入するメリットと実務上の影響

社会保険への加入は、事務所にとってコスト増という側面がある一方、経営を安定させる上で大きなメリットももたらします。

人材採用における競争力の向上

士業の業界は、資格保持者や経験者の獲得競争が激しい分野です。求職者が職場を選ぶ際、社会保険の有無は極めて重要な判断基準となります。社会保険を完備していることは「法令を遵守している健全な事務所」であることの証明であり、優秀な人材を惹きつけるための最低条件ともいえるでしょう。

福利厚生の充実による定着率改善

厚生年金への加入は、従業員の将来の受給額を増やすことにつながります。また、健康保険に加入することで、傷病手当金や出産育児一時金などの給付も受けられるようになります。これらの保障があることで、従業員は安心して長期的に働くことが可能になり、結果として事務所の定着率向上と、教育コストの削減に寄与します。

株式会社オナーズが提案する士業向けの支援

士業事務所が社会保険の手続きを行う際、日々の業務と並行して複雑な書類作成や法改正のキャッチアップを行うのは容易ではありません。株式会社オナーズでは、社会保険の手続き代行から給与計算、BPOサービスを通じて、事務所運営の効率化を支援しています。特に士業の皆様は、自らが専門家であるからこそ、事務作業をアウトソーシングすることで、本来の付加価値の高い専門業務に集中できる環境を整えることが重要です。最新の法改正に基づいた適切な運用をサポートし、リスクのない事務所経営をバックアップいたします。

まとめ

士業事務所における社会保険加入は、法人であれば必須、個人事務所でも従業員5名以上で義務となります。2022年の法改正により、多くの個人事務所が強制適用の対象に含まれるようになったため、現在のステータスを正確に把握しておく必要があります。社会保険完備は、従業員の安心感を高め、事務所の信頼性を強固にする重要なインフラです。手続きや運用に不安がある場合は、専門の外部パートナーを活用しながら、適切な管理体制を構築することをおすすめします。

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