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士業が知っておくべき事業承継税制のポイントと実務での活用法

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士業が知っておくべき事業承継税制のポイントと実務での活用法

現在、日本国内の多くの中小企業が経営者の高齢化という大きな課題に直面しています。こうした背景から、税理士や公認会計士、弁護士といった士業の方々にとって、事業承継に関する相談対応や税制面でのアドバイスは避けて通れない重要な業務となりました。特に「事業承継税制」は、円滑な代替わりを実現するための強力な武器となる一方で、要件の複雑さや将来的なリスク管理など、プロフェッショナルとしての深い知見が求められる分野です。

本記事では、士業の皆様がクライアントから事業承継の相談を受けた際に押さえておくべき税制の核心部分、特に特例措置の活用法や実務上の注意点を詳しく解説します。また、親族内承継が困難な場合の有力な選択肢であるM&Aとの関連性についても触れていきます。

目次

事業承継における士業の役割と税制の重要性

事業承継は単なる経営権の譲渡ではなく、資産の移転や税務、法務、さらには組織文化の継承までを含む極めて広範なプロセスです。経営者が最も信頼を寄せるパートナーである税理士などの士業の方々は、その中心的な役割を担っています。適切な税務戦略を立案できるかどうかが、企業の存続そのものを左右するといっても過言ではありません。

特に自社株の評価額が高い企業の場合、承継時に発生する税負担がキャッシュフローを圧迫し、廃業に追い込まれるケースも少なくありません。ここで大きな役割を果たすのが、国が推進している事業承継税制です。この制度を正しく理解し、適切なタイミングで提案することは、クライアントの信頼を勝ち取る大きな要因となります。専門的な視点から制度のメリットとデメリットをバランスよく伝え、長期的な視点でのアドバイスが求められています。

事業承継税制(特例措置)の仕組みとメリット

事業承継税制とは、後継者が非上場株式を贈与または相続によって取得した際に、一定の要件を満たすことで贈与税や相続税の納税が猶予、あるいは免除される制度です。特に「特例措置」は、従来の一般措置に比べて大幅に使い勝手が向上しました。

贈与税・相続税の納税猶予と免除

特例措置の最大の魅力は、対象となる全株式の納税猶予割合が100パーセントである点にあります。つまり、制度を適用すれば実質的な税負担をゼロにして株式を承継することが可能です。これまでは一部の株式のみが対象でしたが、全株式が対象となったことで、経営権を確実に、かつ負担なく一気に移譲できる道が開かれました。

特例措置の適用期限と承継計画の提出

特例措置を活用するためには、時間的な制約を意識しなければなりません。あらかじめ「特例承継計画」を都道府県知事に提出し、認定を受ける必要があります。この計画提出には期限が設けられているため、早めの準備が欠かせません。士業としては、クライアントの年齢や経営状況を鑑み、逆算したスケジュール管理を主導することが求められます。

実務で注意すべきリスクと留意点

制度のメリットは大きいですが、実務においてはその裏にあるリスク管理が何より重要です。一度適用を受けた後でも、要件を満たせなくなった場合には、猶予されていた税金を利子税とともに納付しなければならないという厳しい現実があります。

雇用維持要件と継続届出の重要性

特例措置では雇用維持要件が緩和されましたが、依然として一定の報告義務は残っています。5年間の承継期間中、またそれ以降も定期的に継続届出書を税務署や都道府県に提出しなければなりません。こうした事務手続きを怠ると猶予が取り消されるため、士業側での徹底した進捗管理とフォローアップ体制の構築が不可欠です。

税制適用取り消しによるリスクの把握

もし将来的に会社を解散したり、株式を他者に売却したりした場合、納税猶予が打ち切られる可能性があります。事業の継続が難しくなるリスクを見越した上で、本当にこの制度を適用すべきかどうかを慎重に見極める必要があります。目先の税負担軽減だけでなく、出口戦略を含めた総合的な判断がプロフェッショナルには問われています。

親族内承継が困難な場合の対応:M&Aという選択肢

事業承継税制は主に親族内承継や従業員承継を念頭に置いたものですが、後継者不在の企業においては活用が難しいケースもあります。そのような場合に検討すべきなのがM&Aです。第三者へ事業を譲渡することで、従業員の雇用を守り、創業者利益を確保することが可能になります。

最近ではM&Aを前提とした事業承継の支援も増えています。士業の皆様にとっては、税制の助言に留まらず、外部への売却という選択肢も提案できる幅広さが重要です。親族内承継かM&Aかという二者択一ではなく、どちらが企業にとって最適な未来を築けるかという観点で伴走することが、今の時代の士業に期待される姿と言えるでしょう。

株式会社Honorsによる士業・専門家向け支援

株式会社Honors(オナーズ)では、士業や金融機関の皆様と協力し、クライアントの事業承継やM&Aを強力にバックアップする体制を整えています。事業承継の現場では、税務だけでなく高度な交渉力やマッチング能力が求められる局面が多々あります。

私たちは、士業の皆様が抱える「顧問先の後継者がいない」「M&Aの進め方が分からない」といった悩みを共に解決するパートナーです。専門的な知見を共有し、実務における負担を軽減しながら、クライアントにとって最善の結果を導き出すためのお手伝いをいたします。自社だけでは対応が難しい高度な承継案件についても、お気軽にご相談ください。

まとめ

事業承継税制は、日本の経済を支える中小企業のバトンタッチを促進するための非常に重要な制度です。士業の皆様がこの制度を深く理解し、適切に活用することで、救われる企業や経営者は数多く存在します。一方で、要件の遵守や将来的なリスクへの備えなど、実務上のハードルは低くありません。

制度の枠組みを正しく把握しつつ、時にはM&Aといった外部の知見も取り入れながら、多角的な支援を行うことが重要です。株式会社Honorsは、その過程で士業の皆様を支える心強い存在でありたいと考えています。共に、日本の中小企業の未来を守るための第一歩を踏み出しましょう。

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