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行政書士の特認制度とは?公務員が無試験で資格取得できる要件と申請方法を解説

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行政書士の特認制度とは?公務員が無試験で資格取得できる要件と申請方法を解説

行政書士という職業に興味はあるものの、資格試験の難易度や学習時間の確保に悩む方は少なくありません。しかし、特定の条件を満たす公務員であれば、試験を受けずに行政書士資格を取得できる「特認制度」が存在することをご存じでしょうか。この制度は、長年の公務員生活で培った行政実務の経験を正当に評価し、資格を付与するものです。本記事では、特認制度の具体的な要件や手続きの流れ、登録後のキャリア構築について詳しく解説します。

目次

行政書士の特認制度(無試験登録)の基本概要

行政書士の特認制度とは、行政書士法第2条第6号に基づき、国または地方公共団体の公務員として一定期間、行政事務に従事した者に対して、国家試験を経ずに行政書士の資格を与える制度を指します。一般的に行政書士になるには、合格率10パーセント前後の難関とされる行政書士試験に合格する必要がありますが、特認制度はその例外として位置付けられています。

特認制度が設けられている背景

行政書士の主な業務は、官公庁に提出する書類の作成や許認可手続きの代理です。公務員として行政の内部でこれらの事務を長年担当してきた人物は、すでに行政手続きに関する深い知見を有しているとみなされます。そのため、改めて試験を課すまでもなく、実務経験をもって有資格者と同等の能力があると認めるのがこの制度の趣旨です。

特認制度を利用するための要件と実務経験

特認制度を利用するには、単に公務員であれば良いというわけではありません。従事した期間や職務の内容について、法律で定められた厳格な基準をクリアする必要があります。

一般職・特別職公務員の必要勤続年数

まず、必要となる勤続年数は、その職位や職務の内容によって異なります。一般的には、国または地方公共団体の公務員として行政事務に従事した期間が通算して20年以上(高校卒業以上の学歴がある場合は17年以上)であることが基本の要件です。ただし、単純な労務作業や特定の専門技能職などは対象外となる場合があるため、自身の職歴が「行政事務」に該当するかどうかの精査が重要となります。

「行政事務」に該当する職務内容とは

ここでいう行政事務とは、法令の執行や適用、許認可、企画立案などの事務を指します。例えば、市役所での市民課業務、税務、福祉、建設などの各部署で行政処分や受理判断に携わっていた経験は該当します。一方で、清掃業務や現業部門での直接的な作業、あるいは教職員や警察官、自衛官としての現場活動のみの期間は、行政事務としてのカウントに含まれない可能性が高いため注意が必要です。自身の経歴が該当するか不明な場合は、各都道府県の行政書士会へ事前に照会することをおすすめします。

特認制度による登録手続きの具体的な流れ

資格を有しているだけでは行政書士として活動することはできません。日本行政書士会連合会に備えられている行政書士名簿への登録が必要です。

必要書類の準備と職歴証明

登録にあたって最も重要な書類は、勤務していた官公庁が発行する「職歴証明書」です。この書類には、いつからいつまで、どの部署で、どのような事務に従事していたかが詳細に記されている必要があります。退職後にかなりの年月が経過している場合、当時の上司や担当部署に発行を依頼する手間が発生するため、退職時や退職直後に準備を進めておくとスムーズです。

都道府県行政書士会への申請と審査

書類が揃ったら、事務所を設置する予定の都道府県にある行政書士会へ提出します。申請時には入会金、登録手数料、年会費などの費用が必要です。提出された書類は、連合会および単位会で厳正に審査されます。公務員としての経歴に虚偽がないか、欠格事由に該当しないかなどがチェックされ、承認されると晴れて行政書士として登録が完了します。この審査には通常1か月から2か月程度の期間を要します。

特認制度を利用するメリットと注意すべきポイント

特認制度は、キャリアの延長線上で行政書士を目指す公務員にとって非常に有利な制度ですが、活用にあたってはメリットと課題の両面を理解しておく必要があります。

試験対策コストの削減と早期開業

最大のメリットは、膨大な学習時間と受講費用を節約できる点です。行政書士試験に合格するには、一般的に500時間から1,000時間の学習が必要といわれていますが、特認制度を利用すれば、その時間を実務の準備や営業活動、事務所の設営に充てることができます。特に定年退職後やセカンドキャリアとして即座に独立を目指す方にとって、時間的なアドバンテージは計り知れません。株式会社Honorsでは、こうした公務員出身者のキャリアチェンジを支援するWebサービスやリクルーティング支援を行っており、スムーズな転身をバックアップしています。

実務スキルの補完とネットワーク構築

注意すべき点は、公務員としての経験が必ずしも「行政書士としての実務」に直結するわけではないという事実です。行政の内部で書類を受け取る側だった経験は強みになりますが、申請者として書類を作成し、クライアントから報酬をいただくプロとしての立ち振る舞いは、新たに学ぶ必要があります。また、公務員時代には不要だった集客やマーケティングの知識も不可欠です。登録後は、行政書士会が主催する研修会に積極的に参加し、同期や先輩行政書士とのネットワークを構築して、最新の法令改正や実務の動向を常にアップデートする姿勢が求められます。

まとめ

行政書士の特認制度は、公務員として培った長年の経験を、国家資格という形に変えることができる価値ある制度です。17年または20年という勤続要件は決して低いハードルではありませんが、それをクリアしている方にとっては、試験免除という強力なメリットを享受できます。しかし、資格取得はあくまでスタート地点です。行政の仕組みを熟知しているという強みを活かしつつ、経営者としての視点や新たな専門知識を取り入れることで、地域社会に貢献できる行政書士として活躍の場を広げることができるでしょう。もし、これからのキャリア形成に迷いや不安がある場合は、専門のコンサルティングや支援サービスを活用し、着実な一歩を踏み出すことを検討してください。

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