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士業の紹介報酬(キックバック)は違法?弁護士法・税理士法等の禁止規定とM&Aにおける注意点を解説
士業の紹介報酬(キックバック)は違法?弁護士法・税理士法等の禁止規定とM&Aにおける注意点を解説
士業(弁護士、税理士、公認会計士、司法書士など)との取引やM&A仲介の現場において、顧客紹介の対価として「紹介料」や「キックバック」の支払いが検討されるケースがあります。しかし、士業の世界では法律や各業界団体の倫理規程により、非士業への紹介料支払いが厳格に制限されていることをご存知でしょうか。安易な金銭の授受は、士業側の懲戒処分だけでなく、紹介した側の法的リスクや契約の無効化を招く恐れがあります。本記事では、主要な士業における紹介報酬の違法性と、実務上の留意点について詳しく解説します。
目次
士業紹介における「紹介報酬」の法的制限
士業が顧客の紹介に対して対価を支払う行為は、多くの場合、各士業を規律する法律によって制限または禁止されています。この規制の主な目的は、士業の独立性と公正さを担保することにあります。紹介料の支払いが常態化すると、士業が「報酬の一部をキックバックとして支払えるほど高額な費用を顧客に請求する」あるいは「紹介料欲しさに実力のない専門家を紹介する」といった、顧客の利益を損なう事態が懸念されるためです。特に、事件の周旋(あっせん)を業とする者に対して報酬を支払う行為は、弁護士法などで厳格に禁じられています(出典:e-Gov 弁護士法)。
各士業法における禁止規定の解説
主要な士業ごとに、紹介報酬に関する具体的な規定を確認します。まず弁護士については、弁護士法第72条(非弁活動の禁止)および弁護士職務基本規程第13条により、非弁護士との間で紹介料の授受を行うことが明確に禁止されています。これに違反した場合、弁護士は懲戒処分の対象となり、紹介した側も非弁提携の共犯として問われる可能性があります。
次に税理士についても、税理士法第37条の2において、税理士業務の紹介を受ける目的で金品を供与したり、接待を行ったりすることが禁じられています。日本税理士会連合会が定める指針でも、不適切な紹介料の支払いは厳しく制限されており、税理士の品位を損なう行為とみなされます。司法書士においても同様に、司法書士法および会則により、不当な誘致行為としての紹介料支払いは禁止されています。これらの規定は、国家資格としての専門性を守るための重要な法的根拠となっています(出典:日本税理士会連合会)。
紹介料支払いが発覚した場合のリスクと罰則
士業側が違法な紹介報酬を支払っていたことが発覚した場合、所属する単位会(弁護士会や税理士会など)から、業務停止や退会命令などの重い懲戒処分を受けることになります。また、紹介報酬の支払いを約束した契約そのものが公序良俗に反するものとして、民法第90条に基づき無効とされる裁判例も存在します。紹介を受けた顧客側にとっても、依頼している専門家が行政処分を受けることで、進行中の案件(裁判や税務申告など)が中断し、多大な不利益を被るリスクがあります。特にM&Aのような長期にわたるプロジェクトでは、士業の信頼性が成否を分けるため、不透明な資金の流れは致命的な問題となります。
M&A仲介や経営コンサルティングにおける適切な提携方法
M&A仲介会社や経営コンサルタントが士業と連携する場合、金銭による紹介料の授受ではなく、専門業務の分担に基づく適正な契約を結ぶことが推奨されます。例えば、M&Aにおけるデューデリジェンス(資産調査)を税理士に依頼する場合、その業務に対する正当な対価を顧客が直接税理士に支払う形式をとるべきです。株式会社Honorsでは、法令遵守(コンプライアンス)を最優先し、透明性の高い提携関係を構築しています。専門的な知識を持つ士業と適切に連携することで、顧客に対して誠実なサービスを提供することが可能です。
まとめ
士業に対する紹介報酬の支払いは、弁護士法や税理士法などの法律、および各職能団体の規程によって厳しく制限されています。これに抵触する「裏金」や「キックバック」は、士業自身の資格を危うくするだけでなく、依頼者の利益を大きく損なう行為です。企業経営者やM&Aを検討している担当者は、紹介料の有無ではなく、実績や専門性、そしてコンプライアンス意識の高さに基づいてパートナーを選ぶ必要があります。適切な法令理解に基づいた誠実な取引こそが、持続的なビジネスの成長につながります。
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