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包括遺贈と特定遺贈の違い|遺言書で財産を贈る際の種類と特徴を解説

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包括遺贈と特定遺贈の違い|遺言書で財産を贈る際の種類と特徴を解説

大切な財産を特定の誰かに譲りたいと考えた際、遺言書を活用する手法が一般的です。その中でも、法定相続人以外の人や団体に財産を贈ることを「遺贈」と呼びます。遺贈には大きく分けて「包括遺贈」と「特定遺贈」の2種類があり、それぞれ法律上の性質や注意点が大きく異なります。相続発生後のトラブルを未然に防ぎ、ご自身の意思を正確に反映させるためには、これらの違いを正しく理解しておくことが重要です。本記事では、包括遺贈と特定遺贈の定義から具体的な相違点、選択する際のポイントまで詳しく解説します。

目次

遺言によって財産を渡す「遺贈」の基礎知識

遺贈とは、遺言書によって自分の財産を特定の人や法人に無償で譲る行為を指します。相続は法定相続人が対象となりますが、遺贈は法定相続人以外の知人、お世話になった方、あるいは慈善団体などを対象に含めることができる点が特徴です。遺贈を検討する際は、対象となる財産の範囲をどのように指定するかによって、その後の手続きや義務の内容が変化します。この指定方法の差が「包括」と「特定」の分かれ道となります。

特定遺贈の特徴とメリット・デメリット

特定遺贈は、遺言の中で譲り渡す財産を具体的に指定する方法です。

特定遺贈の具体的な定義

「〇〇市〇〇町の土地をA氏に遺贈する」「〇〇銀行の預金100万円をB団体に寄付する」といった形式で、個別の財産を特定して贈るケースが該当します。贈る対象が明確であるため、受け取る側も何を譲り受けるのかがひと目で判断できる状態を指します。

特定遺贈を選択する利点と注意点

最大のメリットは、受遺者(財産を受け取る人)が原則として債務を引き継ぐ必要がない点にあります。プラスの財産だけを確実に受け取れるため、受遺者の心理的・経済的負担が軽減されます。一方で、遺言作成時から相続発生時までに、その指定した財産が売却などで滅失していた場合、遺贈の効果が失われる可能性があるという注意点も存在します。また、不動産を特定遺贈する場合は、登録免許税の税率が法定相続人への相続よりも高く設定されていることも把握しておくべきでしょう。

包括遺贈の特徴とメリット・デメリット

包括遺贈は、財産を個別に特定せず、全体に対する割合を指定して譲る方法です。

包括遺贈の具体的な定義

「全財産の3分の1をC氏に遺贈する」というように、遺産の何割という表現で指定します。この場合、相続開始時に存在するすべてのプラスの財産だけでなく、マイナスの財産も含めた全体が対象となります。

包括遺贈を選択する利点と注意点

メリットは、遺言書作成後に財産の内訳が変化しても、割合で指定しているため遺言を書き直す手間が少ない点にあります。しかし、包括受遺者は「相続人と同一の権利義務を持つ」と法律で定められており、借金などの負債も割合に応じて引き継ぐ責任が生じます。また、他の法定相続人と一緒に遺産分割協議に参加しなければならず、手続きの難易度が高まる傾向が見受けられます。親族関係が複雑な場合、包括受遺者と法定相続人の間で意見が対立するリスクも考慮しなければなりません。

包括遺贈と特定遺贈の主な違いを比較

実務上の運用において、特に注意すべき3つの違いを確認しておきましょう。

債務(借金)の承継義務

特定遺贈の場合、遺言で特別の定めがない限り、受遺者が債務を引き継ぐことはありません。これに対して包括遺贈は、指定された割合に応じて借金も自動的に引き継ぐことになります。知らずに包括遺贈を受けた結果、後から多額の負債が判明し困惑するケースも少なくありません。事前の財産調査が極めて重要といえます。

遺産分割協議への参加

特定遺贈を受けた人は、指定された財産を受け取る権利を得るだけであり、遺産分割協議に参加する義務はありません。対して包括受遺者は、法定相続人と同様の地位を持つため、協議に加わり合意形成を図る必要があります。他の相続人との面識がない第三者が包括受遺者となる場合、協議がスムーズに進まない可能性も否定できません。

遺贈の放棄手続き

特定遺贈は、相続開始後いつでも放棄が可能であり、特段の方式も定められていません。一方、包括遺贈の放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申述を行う必要があります。この期限を過ぎると、自動的に承認したものとみなされるため、負債がある場合には注意が必要です。

遺言書作成で失敗しないためのポイント

どちらの手法を選択すべきかは、財産の構成や受遺者との関係性によって決まります。特定の動産や不動産、現金を確実に届けたいのであれば特定遺贈が適しています。一方で、将来的な財産の増減に対応しつつ、法定相続人と同等の権利を譲りたい場合は包括遺贈が検討材料となります。ただし、いずれの方法も「遺留分」への配慮を欠くと、親族間での紛争を招く恐れがあります。遺言書を作成する際は、法的な整合性はもちろん、残された人々が円満に手続きを進められるような内容を吟味することが大切です。

Honorsによる相続・遺言コンサルティング

Honorsでは、不動産売却や資産運用を中心とした相続対策のサポートを行っております。遺贈を含む遺言書の作成検討においては、不動産の評価や将来的な価値の見極めが欠かせません。特定遺贈で不動産を譲るべきか、あるいは現金化して分けるべきかなど、プロの視点から最適なプランをご提案いたします。お客様の想いを形にし、次世代へ円滑に資産を繋ぐためのパートナーとして、細やかなアドバイスを徹底しております。複雑な相続問題や空き家の活用にお困りの際は、ぜひHonorsまでご相談ください。

まとめ

包括遺贈と特定遺贈は、似ているようで全く異なる性質を持つ仕組みです。財産の種類や受遺者の負担を考慮せず安易に選択すると、思わぬ法的トラブルを招く危険性があります。特定遺贈は「特定のモノを確実に贈る」ことに適しており、包括遺贈は「割合でバランスよく贈る」ことに適していますが、それぞれ責任の範囲が異なることを忘れてはいけません。ご自身の資産状況を正確に把握した上で、専門家のアドバイスを受けながら最適な遺言書を作成することをお勧めします。正しい知識を持って準備を進めることが、最善の相続を実現する第一歩となるでしょう。