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ネット上の誹謗中傷に対処する発信者情報開示請求の仕組みと法的プロセス
ネット上の誹謗中傷に対処する発信者情報開示請求の仕組みと法的プロセス
SNSや匿名掲示板での誹謗中傷は、企業のブランド価値を著しく損なうリスクがあります。Honorsでは、こうしたデジタルリスクを早期に発見し、適切な対応へつなげる支援を行っています。インターネット上での権利侵害に対して、投稿者を特定するための手段が「発信者情報開示請求」です。本記事では、法改正後の最新の仕組みを踏まえ、手続きの流れや要件について詳しく解説します。
目次
発信者情報開示請求とは何か
発信者情報開示請求は、インターネット上で誹謗中傷や権利侵害を行った匿名の投稿者を特定するための法的制度です。通常、SNSや掲示板の運営者、あるいは通信事業者が保有する投稿者の氏名や住所、電話番号などの情報を開示させることを指します。
匿名性の高いWeb環境では、誰が書き込みを行ったのかを被害者側で特定することは困難です。この制度を利用することで、相手を特定し、その後の損害賠償請求や刑事告訴といった法的措置を検討することが可能となります。
制度の目的と重要性
この制度の主な目的は、被害者の権利救済にあります。名誉毀損やプライバシー侵害が発生した場合、加害者が不明なままでは責任を追及できません。Honorsでは、企業のレピュテーション(評判)を守るためにも、この法的な枠組みを正しく理解しておくことが不可欠であると考えています。早期に投稿者を特定することは、同様の被害の再発を抑止する効果も期待できるでしょう。
改正プロバイダ責任制限法による手続きの変化
2022年10月に施行された改正プロバイダ責任制限法により、発信者情報開示の手続きは大きく変わりました。以前の手続きは、コンテンツプロバイダ(SNS運営者など)とアクセスプロバイダ(通信事業者など)に対して、個別に裁判を行う必要があり、解決までに1年以上の時間を要することも珍しくありませんでした。
改正後は、これら2つのステップを1つの裁判手続きで並行して行えるようになり、期間の短縮と負担の軽減が図られています。迅速な対応が求められるネット上のトラブルにおいて、この改正は非常に大きな意味を持ちます。
新たな裁判手続き「非訟手続」の導入
新たに導入された「発信者情報開示命令事件」という非訟手続は、従来の民事訴訟よりも簡易的かつ迅速に進められる点が特徴です。裁判所が一度の申し立てで、コンテンツプロバイダとアクセスプロバイダの両方に対して命令を出すことが可能となりました。これにより、情報の消去を防ぎながら、効率的に投稿者の特定を進められる状況が整っています。
発信者情報開示請求が認められるための要件
開示請求は、どのような投稿に対しても認められるわけではありません。主に以下の2つの要件を満たす必要があります。まず、権利侵害が明らかであることです。名誉毀損、侮辱、プライバシー侵害、著作権侵害などの事実が、法的に認められる客観的な証拠とともに示されなければなりません。
次に、情報の開示を受ける正当な理由が必要です。損害賠償請求権の行使や、謝罪広告の掲載請求など、法的な責任追及のために投稿者の情報が必要であると認められる必要があります。単に「誰が書いたか知りたい」という動機だけでは、プライバシー保護の観点から請求は棄却される可能性が高いといえます。
手続きの具体的な流れと期間
実際の手続きは、専門的な知識と迅速な行動が要求されます。ログの保存期間には限りがあるため、初動の遅れは決定的な痛手となりかねません。
コンテンツプロバイダへの開示請求
まずは投稿がなされたプラットフォームの運営者に対し、IPアドレスやタイムスタンプの開示を求めます。任意での開示に応じるケースは稀であり、多くの場合、裁判所を通じて「開示命令」を取得することになります。ここで得られる情報は投稿時の通信記録であり、まだ個人の氏名までは判明しないケースがほとんどです。
アクセスプロバイダへの開示請求
次に、判明したIPアドレスを元に、投稿者が利用していた通信事業者(キャリアやプロバイダ)を特定します。その事業者に対し、契約者の氏名、住所、電話番号の開示を請求します。この際、アクセスログが消去されないよう、並行して「消去禁止の仮処分」を申し立てることも重要です。最終的に裁判所が権利侵害を認めれば、投稿者の個人情報が開示される運びとなります。
被害を最小限に抑えるためのWebモニタリング
発信者情報開示請求は、起きてしまった被害への事後対応です。しかし、企業のブランド価値を守るためには、被害を最小限に食い止める「予防」と「早期発見」がそれ以上に重要となります。Honorsでは、独自のノウハウを用いたWebモニタリングサービスを提供しており、24時間体制でネット上の論調を監視しています。
誹謗中傷が拡散される前に検知できれば、証拠保全もスムーズに進みます。また、炎上の兆候をいち早く捉えることで、法的措置を含めた多角的な対策を検討する余裕が生まれます。開示請求を検討する事態になる前に、日常的なリスク管理を徹底することが、現代の企業経営には求められています。
まとめ
発信者情報開示請求は、ネット上の匿名性に隠れた加害者を特定し、正当な権利を取り戻すための強力な武器です。法改正によって手続きの迅速化が進んだ一方で、法的な要件の立証や証拠の確保には依然として高い専門性が求められます。誹謗中傷の被害に遭った際は、放置せずに専門家や支援サービスを活用し、毅然とした対応をとることが重要です。Honorsは、企業の平穏な活動を阻害するデジタルリスクを排除し、健全なWeb活用を支えるパートナーとして伴走いたします。
