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削除請求における仮処分の仕組みと手続き|ネット誹謗中傷を迅速に解決する方法

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削除請求における仮処分の仕組みと手続き|ネット誹謗中傷を迅速に解決する方法

インターネット上での誹謗中傷や名誉棄損にあたる書き込みは、放置するほど拡散のリスクが高まり、企業や個人の信用に深刻な打撃を与えます。こうした事態を未然に防ぐ、あるいは最小限に食い止めるために有効な手段が、裁判所を通じた「仮処分」による削除請求です。通常の訴訟と比較して迅速な判断が下されるこの制度は、Web上の風評被害対策において極めて重要な役割を担います。本記事では、仮処分の仕組みから具体的な手続きの進め方、認められるための要件までを専門的な視点で詳しく解説します。Honorsが提供する知見をもとに、実効性の高い対策への理解を深めてください。

目次

削除請求における仮処分の基礎知識

WebサイトやSNS上の投稿を削除したい場合、まずは管理者への任意請求を行いますが、応じてもらえないケースも少なくありません。その際に検討されるのが裁判手続きです。

仮処分とは何か

仮処分とは、権利の侵害が発生している場合に、正式な裁判(本訴)の判決を待っていては回復不可能な損害が生じる恐れがある際に、裁判所が暫定的な命令を下す手続きです。インターネット上の情報は拡散性が高く、1日から2日の遅れが致命的なダメージに繋がります。そのため、削除請求においては、この仮処分制度を利用することが一般的となっています。

通常の訴訟との決定的な違い

通常の訴訟は、判決が出るまでに半年から1年以上の期間を要することがあります。一方、仮処分は数週間から1、2ヶ月程度で結論が出る点が大きな特徴です。証拠調べの手続きも簡略化されており、「疎明(そめい)」と呼ばれる、裁判官が「おそらく正しいだろう」と推測できる程度の立証で進められます。ただし、あくまで「仮」の処分であるため、後に本訴で結論が覆る可能性を考慮し、一定の担保金を預ける必要がある点に注意が必要です。

仮処分による削除請求を行うメリット

法的な強制力を持ってコンテンツを削除させるためには、仮処分の活用が最も現実的な選択肢となります。

削除までのスピード感

ネット上の誹謗中傷対策において、最も優先すべきは「被害の拡大防止」です。仮処分は本訴に比べて審理が圧倒的に早く、権利侵害が明白であれば迅速に削除命令が発せられます。検索結果に表示され続ける時間を短縮することは、レピュテーションリスクの低減に直結します。

実効性の高い命令

裁判所から削除命令が出されると、多くのプロバイダやサイト管理者はこれに従います。命令に従わない場合には、間接強制という仕組みによって、1日あたり数万円から数十万円の金銭支払いを命じられることもあるため、強制力は非常に強力です。海外法人が運営するサービスであっても、日本の裁判所での手続きによって解決できる事例は増えています。

仮処分が認められるための要件

仮処分を申し立てれば必ず認められるわけではありません。法的に以下の2つの要件を満たす必要があります。

被保全権利の存在

被保全権利とは、守られるべき権利のことです。具体的には、名誉権、プライバシー権、著作権、営業権などが侵害されている事実を証明しなければなりません。単に「不快である」「気に入らない」といった理由では認められず、投稿内容が真実でないことや、公共の利益に資さないことなどを論理的に主張する必要があります。

保全の必要性

「今すぐに削除しなければならない理由」が求められます。放置することで企業の株価に影響が出る、個人の就職や結婚に著しい支障をきたす、といった急迫の事情を説明します。インターネット上の投稿は放置されるほど検索エンジンにインデックスされ、アーカイブ化されるため、保全の必要性は認められやすい傾向にあります。

仮処分による削除請求の手続きフロー

手続きは専門的な知識を要するため、全体の流れを把握しておくことが重要です。

申立てから決定までの流れ

管轄の裁判所に対して「仮処分命令申立書」を提出します。その後、裁判官との面接(債権者面接)や、相手方(サイト管理者など)の言い分を聞く「審尋」という手続きが行われます。申立てから決定が出るまでの期間は、概ね2週間から1ヶ月程度が目安です。相手方が海外法人の場合は、訳文の作成や送達の手続きにより、さらに期間を要する場合もあります。

担保金の供託について

裁判所が削除の妥当性を認めた場合、決定を出す前に「担保金」の供託を求められます。これは、もし後に削除が不当であったと判明した際に、相手方が被る損害を補償するためのものです。金額は案件によりますが、1つの投稿につき30万円から50万円程度が相場とされています。この担保金は、手続きが終了した後に還付を受けることが可能です。

Honorsが提案するWebリスクマネジメント

仮処分は強力な手段ですが、法的手続きにはコストと時間がかかります。Honorsでは、企業のブランド価値を守るために、法的なアプローチだけでなく、IT技術を駆使した包括的な風評被害対策を提供しています。情報の拡散状況をリアルタイムで把握し、削除請求が困難なケースにおいても、検索結果の最適化を通じてネガティブな情報が目に触れにくい環境を構築します。削除請求と並行して、レピュテーション(評判)を根本から改善するソリューションを検討することが、持続的な企業成長には不可欠です。

まとめ

インターネット上の不適切な投稿に対し、仮処分による削除請求は非常に即効性のある解決策となります。権利侵害の事実を法的に構成し、迅速に裁判所へ働きかけることで、被害の最小化が可能となります。しかし、Web上のトラブルは一つひとつの性質が異なり、法的な解決が常に最善とは限りません。自社の状況に合わせ、どのような対策を講じるべきか、専門家のアドバイスを取り入れながら慎重に判断することが求められます。風評被害にお悩みの際は、ITと法的リスクの両面に精通した専門機関へ相談することをお勧めします。