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離婚時の年金分割における合意の進め方と注意点

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離婚時の年金分割における合意の進め方と注意点

離婚を検討する際、夫婦が築き上げた資産を分ける「財産分与」は重要な課題です。その中でも将来の生活基盤となる年金の扱いは、老後の安心を左右する大きな要素となります。年金分割制度を利用すれば、婚姻期間中に納付した厚生年金の保険料納付実績を夫婦間で分割できます。しかし、制度には「合意」が必要なケースと不要なケースがあり、手続きを誤ると受給額に大きな差が生じます。本記事では、年金分割における合意の仕組みや手続きの流れ、トラブルを避けるためのポイントを専門的な視点から詳しく解説します。honorsでは、離婚に伴う不動産評価や財産分与のコンサルティングを通じて、公平な再出発を支援しています。

目次

年金分割制度の基礎知識

年金分割とは、婚姻期間中の厚生年金記録(標準報酬総額)を夫婦で分け合う制度を指します。あくまで「納付実績」の共有であり、将来受け取る年金キャッシュそのものを現時点で分け与えるものではありません。

分割の対象となる年金の種類

全ての年金が分割対象になるわけではない点に注意が必要です。対象は「厚生年金」および「旧共済年金」に限られます。自営業者などが加入する「国民年金(老齢基礎年金)」や、企業独自の「確定給付年金」「確定拠出年金」などは、この制度による分割の対象外となります。これらの資産については、別途財産分与の枠組みで協議を行う必要があります。

合意分割と3号分割の違い

年金分割には2つの形式が存在します。1つは「3号分割」で、専業主婦(主夫)などの第3号被保険者だった期間の記録を、相手の合意なしに50%ずつ分ける仕組みです。もう1つが今回の主題である「合意分割」です。共働き夫婦や2008年3月以前の婚姻期間がある場合、当事者同士の合意、あるいは裁判所の決定によって分割割合を定める必要があります。最大で50%まで分割可能です。

合意分割の手続きと流れ

合意分割を進めるには、適切なステップを踏むことが求められます。感情的な対立を避け、事務的に進めることが早期解決の鍵となります。

年金分割のための情報通知書の取得

まずは日本年金機構から「年金分割のための情報通知書」を取り寄せます。この書類には、分割の対象となる期間や、按分割合の範囲などの必要なデータが記載されています。離婚前であっても、単独で請求して内容を確認することが可能です。honorsが提供する資産コンサルティングにおいても、こうした公的書類の確認は適正な資産配分の第一歩として推奨しています。

夫婦間での話し合いと合意書の作成

通知書に基づき、分割割合(按分割合)を協議します。多くの場合、50%(0.5)で合意されますが、状況により異なる割合を定めることも可能です。合意に至った場合、公証役場にて「公正証書」を作成するか、年金事務所に夫婦で直接出向いて「合意書」を作成します。後のトラブルを避けるため、法的な効力を持つ書面での記録が不可欠です。

年金事務所への請求手続き

合意が成立しただけでは分割は実行されません。作成した公正証書や合意書を添えて、年金事務所へ「標準報酬改定請求書」を提出します。この手続きを完了して初めて、将来の受給額に反映されます。

合意がまとまらない場合の対処法

相手が年金分割に応じない、あるいは割合について折り合いがつかないケースも少なくありません。その際は、法的な手続きへ移行します。

家庭裁判所への申し立て

協議が整わない場合、家庭裁判所へ「年金分割の割合を定める調停」を申し立てます。調停委員を交えて話し合いを行い、解決を目指します。離婚調停とあわせて申し立てるのが一般的です。

審判による分割割合の決定

調停でも合意に至らない場合、裁判官が判断を下す「審判」へと進みます。実務上、特段の事情がない限り、按分割合は50%(0.5)と定められることがほとんどです。そのため、話し合いを拒否し続けても最終的には分割が認められる可能性が高いといえます。

年金分割における注意点と期限

制度を正しく理解していないと、期待していた受給額が得られないリスクがあります。

請求期限は離婚から2年以内

年金分割の請求期限は、離婚が成立した日の翌日から起算して「2年」です。この期間を過ぎると、たとえ合意があっても請求権が消滅してしまいます。離婚届の提出後は、速やかに手続きを済ませるべきです。

年金額がそのまま半分になるわけではない理由

よくある誤解として、「相手の年金受給額が半分もらえる」というものがありますが、これは誤りです。分割されるのは「婚姻期間中の厚生年金記録」のみです。相手が独身時代に積み立てた分や、退職後に支払った分は含まれません。また、加給年金などの扶養手当に相当する部分は分割の計算に含まれないため、実際の受取額は慎重にシミュレーションする必要があります。

まとめ

年金分割における合意は、老後の資金計画に直結する重要な手続きです。合意分割が必要なケースでは、正確な情報の把握と、法的な不備のない書面作成が求められます。期限である2年を意識しながら、冷静に協議を進めていくことが大切です。honorsでは、離婚に伴う不動産の適正評価や、複雑な財産分与における専門的なアドバイスを通じて、皆様が納得のいく結論を出せるようサポートしております。不安な点がある場合は、早めに専門家へ相談することをお勧めします。

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