お知らせNEWS

士業が知っておくべき法テラスの利用条件とは?制度の仕組みと受任の判断基準を解説

Honors

士業が知っておくべき法テラスの集客と利用条件とは?制度の仕組みと受任の判断基準を解説

法テラス(日本司法支援センター)は、経済的な理由で法的支援を受けられない方々と、弁護士や司法書士といった士業をつなぐ重要なインフラです。士業として独立・開業されている方や、新規顧客の獲得を検討されている方にとって、法テラスの活用は一つの選択肢となります。しかし、実際に利用するためには、相談者側だけでなく、受任する士業側にも一定の条件や手続きが存在します。本記事では、法テラスの利用条件や資力基準の詳細、士業がこの制度を活用する際のメリットと注意点について、専門的な視点から詳しく解説します。株式会社オナーズでは士業の集客支援を行っていますが、法テラス案件の性質を理解することは、事務所の経営戦略を立てる上でも極めて重要です。

目次

法テラス(日本司法支援センター)の役割と士業の関わり

法テラスは、誰もが法的なトラブルの解決に必要な情報やサービスの提供を受けられるようにすることを目的に設立された公的な機関です。士業、特に弁護士や司法書士にとって、法テラスは「民事法律扶助」の窓口としての役割が最も大きいでしょう。民事法律扶助とは、経済的に余裕のない方が裁判などの法的続きを利用する際、法テラスが弁護士費用や実費を立て替え、分割払いによる返済を可能にする制度です。これにより、本来であれば費用面で依頼を諦めていた層が、正式に士業へ相談・依頼できるようになります。

士業が法テラスを利用するための契約条件

士業が法テラスの案件(民事法律扶助)を取り扱うためには、まず法テラスとの間で「契約弁護士」または「契約司法書士」としての契約を締結している必要があります。

弁護士・司法書士の契約形態

法テラスとの契約には、大きく分けて「地域事務所との契約」と「法テラスに直接雇用されるスタッフ弁護士」の形態がありますが、一般的な独立開業医の場合は、前者の受託契約を結ぶことになります。この契約を結ぶことで、自身の事務所に直接相談に来たクライアントが法テラスの要件を満たしている場合、法テラスの制度を利用して案件を受任(持ち込み方式)することが可能になります。

契約申し込みの流れ

契約を締結するには、所属する弁護士会や司法書士会を通じて、あるいは法テラスの地方事務所へ直接申し込みを行います。登録にあたっては、一定の研修受講が義務付けられている場合や、懲戒処分を受けていないことなどの適格性が確認されます。契約後は、法テラスが定める報酬基準に従うことに同意する必要があります。

相談者が法テラスを利用するための要件(資力基準)

法テラスの民事法律扶助(無料法律相談や費用の立て替え)を利用するためには、相談者が「資力基準」を満たしている必要があります。士業が案件を受任する際、まずはこの基準をクリアしているかを確認することが最初のステップとなります。

収入要件の具体的な目安

月収(手取り額)が一定額以下であることが条件です。この金額は、世帯人数によって異なります。例えば、単身者の場合は月収18万2,000円以下(家賃負担がある場合は22万2,000円以下)、4人家族の場合は月収29万9,000円以下(家賃負担がある場合は35万円以下)といった基準が設けられています。なお、これには賞与等も含まれるため、源泉徴収票や給与明細での確認が不可欠です。

資産要件の具体的な目安

収入だけでなく、保有している資産もチェック対象です。現金や預貯金の合計額が基準を超えている場合は利用できません。単身者の場合は180万円以下、4人家族の場合は300万円以下が目安となります。ただし、将来発生する可能性のある医療費や教育費などは考慮されるケースもあります。

その他の要件:勝訴の見込みと趣旨の適合性

金銭面以外の条件として、「勝訴の見込みがないとは言えないこと(和解や解決の可能性を含む)」や「民事法律扶助の趣旨に適すること(報復的感情や権利の濫用でないこと)」が求められます。士業としては、事案の概要を把握した段階で、これらの要件を満たし得るかを専門的見地から判断しなければなりません。

士業が法テラスを活用するメリット

法テラスを活用することには、事務所経営においていくつかのメリットがあります。第一に、受任の幅が広がることです。費用の支払いが困難な層を断ることなく救済できることは、士業としての社会貢献(プロボノ活動)に近い意義を持ちます。また、報酬金は法テラスから直接振り込まれるため、クライアントからの報酬回収リスクをゼロにできる点は、確実なキャッシュフローを確保する上で大きな魅力です。さらに、法テラスのウェブサイト等を通じて新規の相談者が紹介されるケースもあり、集客のチャネルとしても機能します。

法テラス案件を受任する際の留意点

一方で、法テラス案件には特有の課題も存在します。最も顕著なのは「報酬基準」です。法テラスが定める報酬額は、一般の市場価格よりも低く設定されていることが多く、複雑な案件では業務量に見合わないと感じる場合もあります。また、援助申込書や決定後の報告書など、提出すべき書類が多く事務作業の負担が増える点も無視できません。株式会社オナーズでは、こうした事務効率化と集客のバランスを最適化するための戦略提案を行っておりますが、法テラス案件をどの程度の比率で受けるかは、事務所の収益性を左右する重要な経営判断となります。

まとめ

士業が法テラスを利用するための条件は、相談者の資力要件だけでなく、士業側の契約登録や制度への深い理解に基づいています。経済的困窮者の救済という理念は素晴らしいものですが、事務所を継続的に運営していくためには、法テラス案件の特性を正しく理解し、一般案件とのバランスを考慮した受任体制を築くことが求められます。法テラス制度を賢く活用し、より多くの悩める人々へ法的な光を届けるとともに、安定した事務所経営を実現していきましょう。

関連記事