お知らせNEWS

在職老齢年金で年金が減るのを防ぐには?仕組みと専門家に相談すべき理由

Honors

在職老齢年金で年金が減るのを防ぐには?仕組みと専門家に相談すべき理由

定年後も働き続けることが一般的となった現代において、多くのシニア世代が直面するのが「在職老齢年金」という制度です。働いて収入を得ることで、本来受け取れるはずの年金がカットされてしまう事態は、老後の資金計画に大きな影響を及ぼします。特に経営者や役員の方は、報酬の設定次第で年金の受給額がゼロになるケースも珍しくありません。本記事では、社会保険労務士の視点から、在職老齢年金の仕組みと、支給停止を最小限に抑えるための実務的な対策について詳しく解説します。

目次

在職老齢年金の基本知識

在職老齢年金とは、65歳以降も厚生年金保険に加入しながら働く場合に、賃金と年金額の合計が一定基準を超えると、年金の一部または全額が支給停止される仕組みを指します。以前は60歳から64歳までの層と、65歳以上の層で異なる基準が設けられていましたが、現在は統一された基準で運用されています。

対象となる年金と対象外の年金

この制度の対象となるのは「老齢厚生年金」のみです。国民年金から支給される「老齢基礎年金」については、どれだけ高い報酬を得ていたとしても、全額を受け取ることが可能です。在職老齢年金によって年金がカットされるという話を聞いて、全ての年金が減らされると誤解される方も少なくありませんが、基礎年金部分は確保される点に留意しましょう。

支給停止が発生する仕組み

支給停止の判定に使われるのは「基本月額」と「総報酬月額相当額」の合計です。基本月額は、加給年金を除いた老齢厚生年金の月額を指します。一方、総報酬月額相当額は、その月の標準報酬月額に、直近1年間の標準賞与額を12で割った額を加算したものです。これら二つの合計額が、あらかじめ定められた基準額を1円でも超えると、超えた分の半額が年金から差し引かれることになります。

令和6年度の法改正と支給停止の基準額

在職老齢年金の基準額は、賃金利や物価の変動に合わせて毎年改定されます。令和6年度(2024年度)からは、この基準額が従来の48万円から50万円へと引き上げられました。この変更によって、月々の収入と年金の合計が50万円以内であれば、年金を全額受け取れるようになっています。わずか2万円の差に感じられますが、年間で見れば24万円の差が生じるため、シニア層の就労意欲を高める要因の一つとなっています。ただし、この基準額は今後も社会情勢によって見直される可能性があるため、常に最新の情報を把握しておくことが不可欠です。

年金支給額がカットされる具体的な計算方法

実際にどれくらいの年金が支給停止になるのか、具体的な計算式を見ていきましょう。支給停止額の計算は以下の数式に基づきます。

(基本月額 + 総報酬月額相当額 - 50万円)÷ 2 = 支給停止額

例えば、老齢厚生年金が月額15万円、給与と賞与の月割額が45万円の場合を想定します。合計額は60万円となり、基準の50万円を10万円超過します。この10万円の半分である5万円が支給停止額となり、実際に受け取れる老齢厚生年金は10万円に減少します。もし合計額が非常に高く、支給停止額が基本月額を上回る場合には、老齢厚生年金は全額支給停止となります。ご自身の現在の報酬と年金額を照らし合わせ、どの程度の減額が発生するのかを把握しておくことが重要と言えるでしょう。

経営者や士業が知っておくべき最適化のポイント

一般の従業員と異なり、経営者や役員の方は自らの報酬をある程度自由に決定できる立場にあります。そのため、在職老齢年金の仕組みを逆手に取り、受け取れる年金額を最大化させる戦略を立てることも可能です。

役員報酬の金額設定を見直す

最も直接的な対策は、役員報酬を基準額の範囲内に収まるよう調整することです。年金の基本月額と合わせて50万円を超えない範囲で月額報酬を設定すれば、老齢厚生年金を全額受給できます。もちろん、社会保険料の負担額や所得税、法人税への影響も考慮しなければなりませんが、トータルでの手残りを増やす観点では非常に有効な手段となります。

賞与の支払い方法を工夫する

在職老齢年金の計算には直近1年間の賞与も含まれるため、大きな額の賞与を支払うと、その後の1年間にわたって年金がカットされ続けます。退職金として後払いに変更したり、確定拠出年金を活用したりすることで、現在の総報酬月額相当額を抑える手法も検討に値します。ただし、これらの手法には税務上のルールが厳密に定められているため、専門的な知識を持たずに実行するのはリスクが伴います。

社会保険労務士へ相談するメリット

在職老齢年金の問題は、単に年金が減るかどうかだけではなく、社会保険料や税金、さらには会社全体の労務管理と密接に関わっています。社会保険労務士法人アドバンスパートナーズのような専門家に相談することで、以下のようなメリットを享受できます。まず、複雑な年金計算を正確に行い、将来的な受給予測を明確に示せます。次に、法改正に迅速に対応し、コンプライアンスを遵守した報酬設計のアドバイスが可能です。さらに、雇用継続給付などの他の給付金との併給調整についても一括して相談できるため、個人や企業にとって最適な選択を導き出せます。士業の知見を活用することは、将来の安心を勝ち取るための近道となります。

まとめ

在職老齢年金は、長く働き続けたいと願うシニア世代にとって避けて通れない制度です。令和6年度から基準額が50万円に引き上げられたことで、以前よりも年金を受け取りながら働きやすくなりました。しかし、高額な報酬を得ている場合は依然として支給停止のリスクがあり、適切な対策を講じなければ「働けば働くほど損をする」と感じてしまう結果になりかねません。制度を正しく理解し、必要に応じて社会保険労務士などの専門家のアドバイスを受けることで、労働の対価と年金の双方を賢く受け取る体制を整えましょう。Honorsでは、個々の状況に合わせた最適なプランニングをサポートしております。お悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

関連記事

  • サービス紹介 – Honorsが提供する人事・労務の専門ソリューション。
  • 会社案内 – 社会保険労務士法人アドバンスパートナーズの理念と実績。
  • お問い合わせ – 在職老齢年金や役員報酬の設計に関するご相談はこちら。