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行政書士に支払う報酬の源泉徴収ルールと計算方法を解説
行政書士に支払う報酬の源泉徴収ルールと計算方法を解説
行政書士に業務を依頼した際、支払う報酬から所得税などを差し引く「源泉徴収」の手続きが必要になる場面があります。特に法人や事業を営む個人が依頼主となる場合、この税務処理を怠ると後から不足分の納税や附帯税を求められるリスクが生じるため注意が必要です。一方で、依頼先の行政書士が「個人」なのか「行政書士法人」なのかによって、源泉徴収の要否が大きく変わる点も見落とせません。本記事では、実務で迷いやすい行政書士報酬の源泉徴収について、具体的な計算式や請求書の確認ポイント、納付の手順まで詳しく解説します。
目次
行政書士への報酬は源泉徴収が必要か
所得税法に基づき、特定の資格者へ支払う報酬は源泉徴収の対象と定められています。行政書士もその対象に含まれており、原則として支払側が税金を差し引いて納付しなければなりません。しかし、すべてのケースで徴収が必要なわけではないため、まずは対象となる範囲を正確に把握しましょう。
源泉徴収の対象となるケース
行政書士に対して支払う「報酬・料金」は、源泉徴収の対象です。具体的には、許認可申請の代行費用や書類作成料、コンサルティング料などが該当します。また、報酬以外に「旅費」や「宿泊費」といった名目で支払う金額であっても、それらが行政書士の業務遂行に必要な経費として報酬に含まれる性質のものであれば、原則として源泉徴収の対象金額に含めて計算します。
行政書士法人への支払いは源泉徴収が不要
実務上、最も重要な判別ポイントは「支払い先が個人か法人か」という点です。源泉徴収は個人に対して支払う報酬にかかる税金であるため、行政書士法人に対して支払う報酬については、源泉徴収を行う必要はありません。例えば、弊社「行政書士法人Honors」のような法人組織にご依頼いただいた場合、依頼主様は源泉徴収の手続きを行うことなく、請求金額の全額をお支払いいただく形となります。個人の行政書士に依頼する場合とは処理が異なるため、契約前に必ず確認しておきましょう。
源泉徴収税額の具体的な計算方法
源泉徴収する税額は、支払う報酬の金額によって税率が変動します。計算時には「所得税」だけでなく「復興特別所得税」を合わせた10.21%または20.42%の税率を使用するのが現行のルールです。
報酬額が100万円以下の場合
支払う報酬の総額が100万円以下であれば、計算式は非常にシンプルです。以下の計算式を用いて算出します。
「支払金額 × 10.21% = 源泉徴収税額」
例えば、報酬が10万円(消費税別)の場合、10,210円を源泉徴収し、差し引き89,790円を行政書士へ支払うことになります。なお、消費税額が明確に区分されている場合は、税抜金額を基準に計算して差し支えありません。
報酬額が100万円を超える場合
100万円を超える高額な報酬を支払う場合は、100万円を超える部分の税率が2倍になります。計算式は以下の通りです。
「(支払金額 - 100万円)× 20.42% + 102,100円 = 源泉徴収税額」
このように、一定額を超えると税負担の計算が複雑になるため、大きなプロジェクトや大規模な許認可申請を個人の行政書士に依頼する際は、事前に算出額をシミュレーションしておくと資金計画がスムーズになります。
源泉徴収義務者となる判断基準
報酬を支払う側がすべて源泉徴収を行わなければならないわけではありません。源泉徴収を行う義務がある人を「源泉徴収義務者」と呼びますが、これには会社などの法人だけでなく、従業員を雇って給与を支払っている個人事業主も含まれます。一方で、従業員を雇っていない個人事業主や、事業を行っていない一般の個人が行政書士に依頼した場合は、源泉徴収を行う義務はありません。この場合、行政書士へは報酬の全額を支払い、行政書士自身が確定申告で納税を行うことになります。自身の立ち位置が義務者に該当するかどうか、今一度確認が必要です。
請求書を受け取った際の実務的なチェックポイント
行政書士から請求書が届いたら、源泉徴収税額が正しく記載されているかを確認します。多くの行政書士は、源泉徴収が必要なケースではあらかじめ税額を差し引いた「差引支払額」を明記した請求書を発行します。しかし、依頼主が源泉徴収義務者であるかどうかを行政書士側が完全に把握しきれていない場合、源泉徴収が考慮されていない金額で請求が届く可能性も否定できません。その際、義務者である依頼主が誤って全額を支払ってしまうと、後から自身の負担で源泉所得税を納付しなければならなくなるため、支払い前の内容確認は必須の工程と言えます。
源泉所得税の納付期限と手続きの流れ
差し引いた源泉所得税は、ただ手元に残しておけば良いわけではありません。原則として、報酬を支払った月の「翌月10日」までに、税務署へ納付する必要があります。納付書(所得税徴収高計算書)を作成し、金融機関の窓口やe-Taxを利用して手続きを行いましょう。なお、給与の源泉徴収について「納期の特例」の承認を受けている事業者の場合、専門家への報酬に対する源泉所得税も年2回(7月と1月)にまとめて納付することが可能です。事務作業の負担を軽減できるため、対象となる事業者はこの制度の活用を検討してください。
まとめ
行政書士への報酬に関する源泉徴収は、支払い先が「個人」か「法人」か、また支払い側が「源泉徴収義務者」であるかによって処理が分かれます。ルールを正しく理解していないと、納付漏れによる税務リスクを招く恐れがあるため注意しましょう。もし煩雑な税務処理を避け、スムーズに手続きを進めたいのであれば、源泉徴収が不要な「行政書士法人」への依頼も有効な選択肢となります。弊社「行政書士法人Honors」では、建設業許可をはじめとする各種許認可から経営サポートまで、法人ならではの組織力を活かした質の高いサービスを提供しております。複雑な手続きや法令遵守に関するご不安がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
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