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特別受益の持ち戻し免除とは?意思表示の方法と法改正による配偶者保護を解説

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特別受益の持ち戻し免除とは?意思表示の方法と法改正による配偶者保護を解説

遺産相続において、特定の相続人が生前に多額の贈与を受けていた場合、他の相続人との間で不公平が生じることがあります。この不公平を解消するための制度が「特別受益の持ち戻し」ですが、被相続人の意思によってこの計算を除外する「持ち戻し免除」という仕組みも存在します。本記事では、持ち戻し免除の成立要件や、2019年の民法改正で新設された配偶者への優遇措置について、実務的な観点から詳しく解説します。

目次

特別受益の「持ち戻し」制度の基本構造

特別受益とは、共同相続人の中に、被相続人から遺贈を受けたり、婚姻や養子縁組のため、あるいは生計の資本として贈与を受けたりした者がいる場合の利益を指します。民法第903条では、相続人間の公平を期すため、これらの贈与額を相続財産に加算して相続分を計算する「持ち戻し」を規定しています(出典:e-Gov法令検索:民法)。この計算を行うことで、生前贈与を受けた相続人の取得分を減らし、実質的な平等を図る仕組みとなっています。

持ち戻し免除の意思表示と認められるための形式

被相続人は、自らの意思によって「持ち戻し」をさせないように指定することができます。これを「持ち戻し免除の意思表示」と呼びます。意思表示の方法に厳格な様式はありませんが、後のトラブルを防ぐためには遺言書に明記することが最も確実です。また、明示的な言葉がなくても、贈与の経緯や被相続人の生活状況から、持ち戻しを免除する意図があったと推認される「黙示の意思表示」が認められるケースもありますが、裁判実務では慎重に判断される傾向にあります。

2019年民法改正による配偶者保護の特例

2019年(令和元年)7月1日施行の改正民法により、長年連れ添った配偶者への保護が手厚くなりました。婚姻期間が20年以上の夫婦間において、居住用不動産(土地・建物)の遺贈または贈与が行われた場合、持ち戻し免除の意思表示があったものと推定されるようになりました(出典:法務省:民法の一部を改正する法律)。この改正により、残された配偶者は持ち戻し計算をすることなく、住み慣れた自宅と他の遺産をより多く確保することが可能になっています。

株式会社オナーズによる専門的な相続支援

相続財産の評価や持ち戻しの計算は非常に複雑であり、親族間での主張が対立しやすいポイントです。株式会社オナーズでは、不動産相続の専門家として、法改正を踏まえた最適な遺産分割の提案を行っています。司法書士や税理士といった士業ネットワークと連携し、単なる不動産査定に留まらない、次世代への円滑な資産承継をトータルでサポートします。特に不動産が絡む特別受益の評価については、客観的なデータに基づいたコンサルティングを提供しています。

まとめ

特別受益の持ち戻し免除は、被相続人の想いを尊重しつつ、特定の相続人の生活を守るための重要な制度です。2019年の法改正によって配偶者への特例が設けられたことで、住居に関するトラブルは軽減される傾向にありますが、依然として具体的な計算や意思表示の有無については専門的な判断が求められます。将来の紛争を避け、円満な相続を実現するためには、早期の現状把握と対策が不可欠です。

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