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BEPSプロジェクトの全容と日本企業の実務対応|国際課税の最新動向を解説
BEPSプロジェクトの全容と日本企業の実務対応|国際課税の最新動向を解説
グローバルに事業を展開する多国籍企業にとって、国際的な課税ルールの変更は経営戦略に直結する重大な要素です。その中心にあるのが、OECD(経済協力開発機構)が主導する「BEPS(Base Erosion and Profit Shifting:税源浸食と利益移転)プロジェクト」です。本記事では、BEPSの基礎概念から15の行動計画、そして日本企業が直面している「第2の柱(グローバル最低税率)」などの最新動向について、実務的な視点で詳しく解説します。
目次
BEPSプロジェクトとは?背景と目的
BEPSプロジェクトは、多国籍企業が各国の税制の隙間や制度間の乖離を悪用し、法的・会計的な操作を通じて税負担を不当に軽減する行為に対処するための国際的な取り組みです。2012年にOECDが公表し、G20諸国の合意を得て本格始動しました。主な目的は、経済活動が行われ価値が創出された場所で適切に課税が行われるよう、国際課税ルールの整合性、透明性、および予見可能性を確保することにあります(出典:財務省)。
15の行動計画と日本企業への影響
BEPSプロジェクトでは、具体的な課題を解決するために「15の行動計画」が策定されました。これには電子商取引(デジタル経済)への対応、利子控除の制限、租税条約の濫用防止などが含まれます。特に日本企業の実務に大きな影響を与えているのが行動13「多国籍企業の企業情報の再検討(文書化)」です。直前会計年度の連結総収入金額が1,000億円以上の企業グループには、国別報告書(CbCR)やマスターファイルの提出、およびローカルファイルの作成が義務付けられています(出典:国税庁)。
最新動向:第2の柱(グローバル最低税率)の導入
BEPSプロジェクトは現在「BEPS 2.0」と呼ばれる新たな段階に進んでいます。特に「第2の柱(Pillar Two)」は、多国籍企業の海外子会社等の税負担率が15%に満たない場合、その差額分を親会社の所在地国等で課税するグローバル最低税率制度です。日本では、令和5年度税制改正により「各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税」として法制化されました。2024年4月1日以後に開始する会計年度から適用が始まっており、対象となる企業は自社のグローバルな実効税率を正確に把握し、コンプライアンスを維持する必要があります(出典:財務省「令和5年度税制改正の解説」)。
まとめ
BEPSプロジェクトの進展により、国際課税の透明性は飛躍的に高まり、企業の納税状況は各国の税務当局間で共有されるようになりました。日本企業は、形式的な文書作成にとどまらず、グループ全体の税務リスクをガバナンスの観点から管理することが求められています。アナーズ株式会社では、国際税務の専門家として、移転価格文書化の支援や最新の法規制に基づいたアドバイザリーサービスを提供し、企業の健全な海外展開をサポートしています。
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