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非上場株式の評価額証明書が必要なケースと発行までの流れを解説
非上場株式の評価額証明書が必要なケースと発行までの流れを解説
非上場株式の譲渡や相続、M&Aなどの取引において、その株式が「いくらであるか」を客観的に示す評価額証明書は極めて重要な役割を果たします。上場株式とは異なり、市場価格が存在しない非上場株式の価値を算出するには、高度な専門知識と複雑な算定プロセスが求められます。本記事では、評価額証明書の概要から、必要となる具体的な場面、発行を依頼する際の注意点までを詳しく解説します。Honorsが提供する専門的な知見をもとに、円滑な合意形成と税務リスク回避のためのポイントを確認してください。
目次
評価額証明書とは何か
評価額証明書は、特定の時点における非上場株式の価値を、公認会計士や税理士などの専門家が客観的に算定し、その結果を証明する書類です。非上場株式には証券取引所での取引価格がないため、会社の純資産や将来の収益力、類似する業種の株価などを基に論理的に計算しなければなりません。この証明書があることで、取引価格の妥当性を第三者に対して主張できるようになります。
株価算定書との違い
実務上「株価算定書」と「評価額証明書」はほぼ同義で使われますが、文脈によって使い分けられる場合があります。株価算定書は計算過程や前提条件を詳細に記述した報告書形式のものを指し、評価額証明書はその結果を対外的に証明する形式に重きを置いたものを指す傾向があります。いずれにしても、税務署や裁判所、取引相手に対して「なぜこの価格になったのか」という根拠を提示する点は共通しています。
評価額証明書が必要となる主な場面
非上場株式の評価が必要になるシーンは多岐にわたります。適切な証明書がないまま取引を行うと、後に税務当局から「低廉譲渡(不当に安い価格での取引)」とみなされ、多額の課税を受ける恐れがあります。
親族間や役員間での株式譲渡
事業承継の一環として、現経営者から後継者へ株式を譲渡する場合、売買価格が恣意的になりやすい側面があります。税務上の時価とかけ離れた金額で売買を行うと、贈与税の対象となる可能性があるため、事前に正しい評価額を把握し、証明書として残しておくことが不可欠です。
相続税・贈与税の申告
非上場株式を相続や贈与によって取得した際、その評価額に基づいて税額が計算されます。財産評価基本通達に基づいた算定が必要であり、複雑な計算を伴うため、専門家による証明書が申告の根拠として利用されます。
M&A(企業の買収・売却)
第三者との間で行われるM&Aでは、買い手と売り手の双方が納得する価格を決定しなければなりません。企業の将来性を考慮したインカム・アプローチなどを用いて算出された評価額証明書は、価格交渉のベースとなる重要な資料です。
第三者割当増資の実施
資金調達のために新株を発行する際、既存株主の利益を損なわないよう、発行価格の妥当性を証明する必要があります。特にベンチャー企業や中小企業が投資家から資金を受け入れる場面では、客観的な評価が強く求められます。
評価額を算出するための主な手法
株式価値の評価には、大きく分けて3つのアプローチが存在します。企業の規模や業態、目的に応じて最適な手法を選択することが重要です。
インカム・アプローチ
企業の将来期待される利益やキャッシュフローを基に価値を算出する方法です。代表的な手法としてDCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)法があります。将来の成長性を反映できる反面、事業計画の精度が評価額に大きく影響します。
マーケット・アプローチ
似た業種の上場企業の株価や、過去の類似するM&A事例と比較して価値を算出する方法です。市場の相場を反映させやすいため、客観性が高いとされます。ただし、完全に一致する比較対象を見つけることが難しいケースもあります。
コスト・アプローチ
企業の純資産に着目し、保有している資産を時価で評価し直して価値を算出する方法です。修正純資産法などがこれに該当します。帳簿上の数値をベースにするため客観性に優れますが、将来の収益力は反映されにくい特徴があります。
評価額証明書の発行を依頼する際の流れ
一般的に、専門機関へ依頼してから発行までには、数週間から1ヶ月程度の期間を要します。まずは直近3期分の決算書や事業計画書、定款、株主名簿などの資料を準備することから始まります。専門家はこれらの資料を分析し、必要に応じて経営者へのヒアリングを実施した上で、算定作業を進めます。最終的に作成された報告書を確認し、内容に合意すれば正式な証明書として発行されます。余裕を持ったスケジュール管理が大切です。
信頼できる算定機関を選ぶための基準
評価額証明書は、誰が作成しても同じ結果になるわけではありません。算定者の経験や知見によって、説得力が大きく変わります。選定の際は、非上場株式の算定実績が豊富であるか、税務・法務の両面からリスクを検証できる体制があるかを確認してください。Honorsでは、M&Aや事業承継に精通したプロフェッショナルが、各企業の状況に合わせた最適な算定を実施し、信頼性の高い証明書を提供しています。
まとめ
非上場株式の評価額証明書は、適正な取引を証明し、将来的な税務リスクやトラブルを回避するために欠かせない書類です。株式譲渡、相続、増資など、重要な意思決定を行う場面では、必ず専門家による客観的な評価を受けるようにしましょう。適切な手法で算出された証明書は、ステークホルダーとの円滑な合意形成を支える強力な武器となります。
