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本店移転で管轄外へ引っ越す際の手続きと注意点
本店移転で管轄外へ引っ越す際の手続きと注意点
会社を経営していると、事業拡大やオフィスの集約に伴い、本店の所在地を変更することがあります。その際、移転先が現在の法務局の管轄区域を越える「管轄外移転」になる場合、手続きの工程や費用が通常の移転とは大きく異なります。本記事では、Honorsが提供する登記支援の知見を活かし、管轄外への本店移転における登記申請の流れや必要書類、注意すべきポイントを詳しく解説します。
目次
管轄外への本店移転とは何か
本店移転には、現在の法務局の管轄区域内で移動する「管轄内移転」と、管轄区域を超えて移動する「管轄外移転」の2種類が存在します。管轄外移転とは、例えば東京都中央区(東京法務局本局の管轄)から横浜市(横浜地方法務局の管轄)へ移転する場合などを指します。
管轄内移転と管轄外移転の違い
管轄内移転の場合は、一つの法務局に対してのみ申請を行いますが、管轄外移転の場合は「旧管轄の法務局」と「新管轄の法務局」の両方に対して手続きを行う必要があります。窓口自体は旧管轄の法務局に一括して提出しますが、内部的には二つの法務局を経由するため、審査に時間がかかる傾向があります。
登録免許税の金額差
管轄外移転において最も大きな違いの一つが、国に納める登録免許税です。管轄内移転であれば3万円で済みますが、管轄外移転の場合は旧管轄分3万円と新管轄分3万円の合計6万円が必要になります。移転の予算を組む際は、このコストの差に留意が必要です。
管轄外への本店移転手続きの流れ
法務局への登記申請を行う前に、会社法に基づいた社内決定の手続きを適切に進める必要があります。
株主総会の決議と定款変更
多くの会社の定款では、本店の所在地を「当会社は、本店を東京都中央区に置く」といったように市区町村単位で定めています。管轄外へ移転する場合、この定款に記載された市区町村が変わることが多いため、株主総会の特別決議によって定款変更を行う必要があります。
取締役会での具体的所在地の決定
定款で市区町村までしか定めていない場合、具体的な番地(○丁目○番○号)については、取締役会(取締役会設置会社でない場合は取締役の過半数の一致)で決定します。この決定の日が、実務上の移転日となります。
法務局への登記申請
本店移転の日から2週間以内に、旧管轄の法務局へ登記申請書を提出します。この際、前述の通り新旧両方の管轄分の申請書と印紙をまとめて提出する形になります。
登記申請時の必要書類と費用
管轄外移転の登記申請では、管轄内移転よりも多くの書類を準備しなければなりません。
準備すべき添付書類の一覧
一般的に必要となる書類は以下の通りです。
- 本店移転登記申請書(旧管轄用および新管轄用)
- 株主総会議事録
- 株主リスト
- 取締役会議事録(または取締役の決定書)
- 定款の謄本(原本証明付き)
印鑑届書の提出
管轄外へ移転すると、会社の実印(代表者印)も新管轄の法務局へ改めて届け出る必要があります。移転後の新しい印鑑証明書を早期に取得するためにも、登記申請と同時に印鑑届書を提出するのが一般的です。
登記完了後の事後手続き
法務局での登記が完了した後は、各行政機関への届出が必要です。これらは「Web」上の電子申請を利用できるケースも増えていますが、期限が短いため迅速な対応が求められます。
税務署や自治体への届出
移転前と移転後の両方の税務署、および都道府県税事務所、市区町村役場へ「異動届出書」を提出します。税金の種類によっては移転後の管轄にのみ提出すればよいものもありますが、基本的には双方への通知が必要と考えておくと間違いありません。
社会保険・労働保険の手続き
年金事務所や労働基準監督署、公共職業安定所(ハローワーク)への届け出も必須です。特に社会保険は移転から5日以内など、法務局の登記完了を待っていると期限が厳しくなる場合があるため、計画的なスケジュール管理が重要です。
まとめ
管轄外への本店移転は、管轄内移転と比較して登録免許税が倍増し、手続きの手間も増えます。定款変更が必要になるケースがほとんどであるため、株主総会の開催時期を含めたスケジューリングが成功の鍵となります。Honorsでは、こうした複雑なコーポレートガバナンスや登記関連の手続きを円滑に進めるためのサポートを提供しています。移転手続きに不安がある場合は、専門家のアドバイスを受けることも検討してみてください。
