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ネット誹謗中傷の投稿者を特定する開示請求の手順と費用|法的措置に向けた実務知識
ネット誹謗中傷の投稿者を特定する開示請求の手順と費用|法的措置に向けた実務知識
インターネット上での誹謗中傷や名誉毀損は、個人の精神を深く傷つけるだけでなく、企業の社会的信用を著しく損なう重大な問題です。匿名の投稿者を特定し、謝罪や損害賠償を求めるためには「発信者情報開示請求」という法的な手続きが必要となります。改正法の施行により手続きが合理化されましたが、依然として高度な専門知識が求められる領域です。本記事では、開示請求の仕組みや要件、具体的な進め方について詳しく解説します。
目次
ネット誹謗中傷における開示請求の仕組み
ネット上の書き込みによって不利益を被った際、相手が誰であるかを知らなければ法的責任を追及できません。ここでは、相手を特定するための基礎知識を確認しましょう。
発信者情報開示請求とは
発信者情報開示請求は、プロバイダ責任制限法(現在の情報流通プラットフォーム対処法)に基づき、Webサイトの運営者や通信事業者に対して投稿者の氏名、住所、電話番号などの情報を開示させる手続きです。掲示板やSNS、ブログなど、匿名性の高いプラットフォームでの被害において、法的な解決を図るための第一歩となります。この手続きを経ることで、初めて民事上の損害賠償請求や刑事告訴が可能になります。
改正法による新たな手続き「発信者情報開示命令」
かつては、サイト運営者と通信事業者のそれぞれに対して別個の裁判手続きを行う必要があり、特定までに半年から1年以上の期間を要することが一般的でした。しかし、法改正によって「非訟手続き」を用いた一体的な審理が可能になりました。裁判所がひとつの手続きの中で、サイト運営者から得た情報を元に通信事業者を特定し、最終的な個人情報の開示までを命令できるようになっています。手続きの迅速化が進んだ一方、証拠となるログの保存期間には限りがあるため、初動の速さが重要であることに変わりはありません。
開示請求が認められるための法的要件
開示請求は、個人のプライバシーや表現の自由とも関わるため、無条件に認められるわけではありません。法的に定義された要件を満たす必要があります。
権利侵害の明白性
開示を求めるためには、対象の書き込みによって自分の権利が侵害されたことが客観的に明らかでなければなりません。代表的なものには、社会的評価を低下させる「名誉毀損」、個人の私生活を公開する「プライバシー侵害」、平穏な生活を妨げる「名誉感情の侵害」などがあります。単なる批判や嫌悪感の表明ではなく、具体的な事実の適示や受忍限度を超えた侮辱が含まれていることが判断の基準となります。証拠として、該当する投稿のURLやスクリーンショットを漏れなく保存しておくことが不可欠です。
開示を受ける正当な理由
情報を取得した後に、どのような目的で使用するかが問われます。損害賠償請求の準備、謝罪広告の掲載要求、あるいは刑事告訴といった法的権利の行使を目的としていることが必要です。単なる嫌がらせや報復のために相手を特定しようとする場合は、正当な理由とは認められません。弁護士や専門の対策会社と連携し、目的の正当性を論理的に構築することが、手続きを円滑に進める鍵となります。
開示請求の具体的なフローと期間
実際に投稿者を特定するまでの流れは、大きく分けて二つの段階に分かれます。
コンテンツプロバイダへの情報開示請求
まずは、誹謗中傷が投稿されたサイトの運営者(コンテンツプロバイダ)に対し、投稿者のIPアドレスやタイムスタンプの開示を求めます。SNSによっては国外に拠点があるため、海外法規への対応が必要なケースも珍しくありません。任意での開示に応じるケースは少なく、多くは裁判所を通じて「発信者情報開示命令」を申し立てることになります。ここで得られた接続ログが、次のステップである通信事業者の特定につながります。
アクセスプロバイダに対する訴訟と特定
IPアドレスから判明した通信事業者(携帯電話会社やインターネット接続業者など)に対し、契約者の氏名や住所の開示を求めます。通信事業者は契約者のプライバシーを保護する義務があるため、通常は裁判外の請求で開示に応じることはありません。裁判所が「権利侵害が認められる」と判断し、開示命令を出すことで、ようやく投稿者の身元が判明します。この一連の工程には、改正法適用後であっても、数ヶ月程度の時間を要することが一般的です。
開示請求にかかる費用の目安
開示請求を専門家に依頼する場合、いくつかの費用項目が発生します。着手金、実費(印紙代や郵送料)、成功報酬が主な内訳です。1つの投稿を特定するために、合計で数十万円から100万円程度の費用がかかることもあります。複数のサイトや多数の投稿を対象とする場合は、さらに費用が膨らむ可能性を考慮しなければなりません。Honorsでは、企業の状況や被害の規模に合わせた最適な対策プランを提案し、コストパフォーマンスを意識した解決を支援しています。無駄な法的紛争を避けるためにも、事前のシミュレーションが極めて重要です。
Honorsが提供する誹謗中傷対策の強み
ネット上の誹謗中傷問題は、法律だけで解決できるとは限りません。一度拡散した情報は、相手を特定してもネット上に残り続け、ブランド価値を損ない続けるからです。Honorsでは、Webコンサルティングの知見を活かし、開示請求のサポートだけでなく、検索結果のクリーンアップやポジティブな情報発信によるレピュテーション管理を包括的に実施しています。法的な手段とWeb技術的なアプローチを組み合わせることで、再発防止までを見据えた抜本的な対策を可能にしています。誹謗中傷の放置は、沈黙による肯定と受け取られかねません。専門的な知見を持つHonorsとともに、毅然とした対応を検討してください。
まとめ
ネット上の誹謗中傷に対する開示請求は、権利を取り戻すための有効な手段です。手続きには「権利侵害の明白性」や「正当な理由」といったハードルがありますが、法改正により以前よりも迅速な特定が期待できるようになりました。一方で、ログの保存期間という時間制限があるため、被害に気付いた直後の素早いアクションが成功を左右します。匿名性の裏に隠れた加害者を特定し、健全なWeb環境を取り戻すために、まずは専門家への相談から始めてみてはいかがでしょうか。
